シラタマノキとの出会い・採取

今回の主役は、標高の高いエリアで出会った白い実、シラタマノキの実です。普段よく歩いているハイキングコースの道中にやたらと白い実がたくさんなっていました。

白い実をつけたシラタマノキ


道中で見つけた白い実の群生

気になって調べてみたら、サリチル酸メチル系の、いわゆる湿布のような香りがする変わった実であることが判明。面白そうなのでその場で採取することしました。

実際に生の実を潰してみると、本当に強烈な湿布臭がします。ただ味自体はみずみずしくて、ほのかに爽やかな甘みがあります。しかし匂いは湿布なので、味見した実はそのまま吐き出しました。非常にまずいです(生食での多量摂取は避け、味見程度にとどめてください)。

実の下処理

採ってきたシラタマノキの実には軸がついています。軸がついた状態で仕込むと仕上がりに影響すると考えて、つまようじを使って軸を取り除いていきました。地道な作業ですね。

つまようじで実の軸を取り除く様子

つまようじで軸を丁寧に除去

正直かなり根気のいる作業でした。この間に映画を2本も見終えました。この努力で仕上がりが変わると信じます。

洗浄・水切り

軸を取り除いたら、次にボウルで実を洗い細かな軸や葉くずを取り除きます。

洗った実はペーパーで優しく水気を拭き取ります。

ステンレスボウルに入った実と空のボウル

果実の乾燥

水気を拭いた実を平たいザルなどに広げ、風通しのよいところでよく乾かします。

果実酒の仕込み

いよいよ仕込みです。用意したのは一般的な果実酒作りで使われるアルコール度数20%以上のもの、今回は35度のホワイトリカーを選びました。氷砂糖は果実の重さの約30%ほど使っています。

ホワイトリカー、氷砂糖、実の材料一式

仕込みの材料一式

仕込む前に、瓶や使う器具は煮沸消毒してからしっかり冷ましました。果実酒作りが初めての方でも、ここは基本として押さえておくといいと思います。

煮沸消毒後の瓶を布巾の上で冷ましている様子

煮沸消毒後の瓶

鮮度のよい状態で果実酒にしたかったため採取後すぐに下処理・洗浄を済ませて、そのまま仕込みに入りました。詰める順番は実→砂糖→実→砂糖→ホワイトリカーの順です。


実を詰め始めた瓶

瓶に実と氷砂糖を交互に詰めた状態

実と氷砂糖を交互に詰める

思った以上に実が軽く浮いてしまったので時々瓶を振り、実がアルコールになるべく触れるようにしました。結果的にカビが生えたり傷んだりはしなかったので一安心でしたが、もし作る方は実が浮いてこないよう重しをするのをおすすめします。

仕込んで1ヶ月ほど経つと、ある変化が起こりました。白かったはずの実が青紫に、酒の色も薄紫色に変化したのです。

青紫色に変化した実と漬け酒

恐ろしい変化でしたが漬け込み終了予定の半年後には、美しい琥珀色に変化してくれました。よかったよかった。

漬け込み終了後は実を濾し、酒だけを消毒したワイン瓶に移しました。

完成したシラタマノミ酒

ロックで頂きました



完成・実飲レビュー

半年かけて漬け込んだシラタマノミ酒、ついに実飲です。

お酒全体にも、それはそれはしっかりとシラタマノミの香りが移っていました。まさに湿布のお酒がここに誕生しました。

味も非常に独特で、飲む人を選ぶと思います。少し甘すぎたのでもう少し砂糖を減らしたほうがよかったかもしれません。

私は正直、とても飲めたもんじゃありませんでした。見た目は美味しそうなんですけどね。

昔はシラタマノキの葉が湿布代わりに使われていたそうなので、体を痛めている人には薬的な意味で効果があるかもしれません。将来足腰を痛めたときに飲んで治るか検証してみたいと思います。

新たにもう一度一から作りたいとは思いませんが、ワイン瓶に移した後もさらに熟成させているのでこの先どんな味に変化していくのか、それはそれで楽しみです。

この記事を読んでシラタマノミでお酒を作りたい!という方は少ないかもしれませんが、湿布を心から愛してる方、湿布では体の痛みが取れずむしろ湿布そのものを摂取したいと思っている方(あくまで自己責任で)、そして変なお酒で周りにサプライズを届けたいという方はシラタマノミ採取に出掛けてみてはいかがでしょう。